SiC Embedded Drain MOSFET Empowers “Moon to Mars” Mission JP

ウエハー貼り合わせ技術はマイクロマシンセンサーやアクチュエーターなどMEMSの開発および製造に広く使われ、成功を収めています。


Power Electronics News 2021719 - ウエハー貼り合わせ技術はマイクロマシンセンサーやアクチュエーターなどMEMSの開発および製造に広く使われ、成功を収めています。今後も貼り合わせ技術は次世代の集積回路、マイクロシステム、ナノエレクトロニクス、MEMSなどのデザインにおいて、引き続き重要な役割を担うことは明らかです。なぜなら複数のウエハーを正確に立体的に接合することで複雑なマイクロ、ナノ構造を可能にすることができるからです。この数年で多くのサプライヤーが大口径化の基盤(200mm以上)に移行しておりますが、小口径の貼り合わせウエハーの需要はまだ強く、低コストデバイスのための有効な解決法として残されています。

一方、電源アプリケーションに用いられるパワー半導体の発展は、2024年までに月面に人類を送り、10年以内に継続的な宇宙探査を確立するというNASAの長期宇宙プログラム”月から火星へ“にとって非常に重要となります。アイスモス・テクノロジーはNASANational Aeronautics and Space Administration )のゴダード宇宙飛行センター(Goddard Space Flight Center (GSFC) )で行われている新しい宇宙船電源システムの開発に参画し、低コストや大量生産を見据えた高耐圧耐放射線パワートランジスターの開発に貢献しています。アイスモスのパワートランジスターはシリコンカーバイドドレイン技術を採用し、ワイドバンドギャップ(WBG)素材の低いオン抵抗の利点を生かします。


アイスモス・テクノロジー

 

2004年に創業されたアイスモス・テクノロジーは、低コスト高性能のスーパージャンクションMOSFET、高度な技術基板ウェハーによる低コストでシンプルなMEMSソリューションを提供するベストインクラスのサプライヤーです。北アイルランドのベルファストに製造拠点、米国アリゾナ州テンピに研究センター、日本の東京にデザインセンターがあります。

アイスモステクノロジー創立者でCEOのサミュエル・アンダーソンは以下のように述べています。私どもは基本的に3つのコアな技術に焦点を当てています。“

最初の一つはMEMS開発と製造です。工場はアイルランドにあります。私どもは自動車業界向けの特にADASシステムのIMU 慣性計測装置などに使われるセンサー部品を製造しております。次に、私どもはパワー半導体を米国と日本のリサーチセンターでデザインしており、それらは主にクラウド向けコンピューターアプリケーションやデータセンターサーバー向けの用途です。最後に、最近のことにはなりますが、結合された半導体を含み、これはNASA向けのプロジェクトとして開発されるワイドギャップ半導体となります。

アイスモスは最近ベルファストの施設において200mmのSOI(Silicon On Insulator) およびシリコン―シリコン直接接合ウエハーの製造ラインの増強に投資しました。また既存の100mm、125mm、150mmのウエハーや高度技術基板なども引き続き供給し続けます。すなわちアイスモスは市場が求める低コストで高性能な製品の供給をお客様の約束いたします。アイスモスが供給する高品質の200mm技術基板が用いられる製品や技術にはMEMSのセンサー、アクチュエーター、圧力センサー、慣性MEMS,光学MEMS(マイクロミラーなど)、拡張現実AR(Augmented Reality)用途、仮想現実VR(Virtual Reality)用途、LiDAR(光による検知と測距用)アプリケーションなどがあります。

最新の自動車ソリューションとして例えばADASや自律運転などともに電動化にシフトしつつ、かつてないほどの数の慣性、光学MEMSセンサーが必要とされています。

アイスモスは100mm、125mm、150mmの貼り合わせSOIやSi-Si接合ウエハーや高度技術基板(キャビティーボンド含む)の供給を継続すると約束しております。多くのMEMSやディスクリート半導体を製造されているお客様の生産ラインやプロセスフローはすでに認定されており、小口径のSOIおよびSi-Si貼合わせウエハーの確実な供給が求められています。小口径の貼り付けウエハーを提供し続けることで、開発中の新しい技術を中断することなく続けることができ、既存製品もこの先長期にわたり生産し続けることができます。

アイスモス・テクノロジーは独自の誘電体絶縁技術(図1参照)を開発しています。これは同一チップ内で高電圧の絶縁分離を行うものです。絶縁は厚膜SOI膜と最先端の高アスペクト比ディープトレンチエッチングと酸化膜・ポリの埋め込みの組み合わせによって実現します。この技術は100mmから150mmのサイズのウエハーで、デバイス層が1.5~100umの厚みに適用可能です。トレンチSOIウエハーはMEMSデバイスやソリッドステートリレー光起電性ジェネレータ、太陽電池、光エレクトロニクスデバイス、テレコム用や高耐圧アナログIC、高いパフォーマンスを発揮するバイポーラ回路、スマートパワーIC、集積センサーなどのアプリケーションにつかわれます。
                                                                                 


図1. アイスモス厚膜SOIウェハー

 


2. スーパージャンクションウェハー

 

スーパージャンクション MOSFET

数十年間以上に渡り、シリコンは優れた物理的特性、高い信頼性、製造の容易さ、低い製造コストなどの理由で、最も広く半導体に電子部品のために使われてきました。しかしながら、シリコンはほとんど理論的限界に到達したとされ、より優れた特性の素材の探究に焦点が移っています。それらの中で、様々な半導体の材料があります。高いパワーを必要とするアプリケーションには、スーパージャンクション技術を通じて適切な改善が達成されました。これは高いオペレーション電圧と低いオン抵抗を可能にするものです。

アイスモスの MEMS MOSFET ( 2参照) はスーパージャンクション技術の高耐圧MOSFETとみなすことができます。シリコンMOSFETMEMSプロセス技術の融合で高度で優れた特性のMOSFETを実現しています。低オン抵抗、超低ゲートチャージ、高い耐dv/dt能力、高いUIS特性、高い耐ピーク電流特性などです。アイスモスの600V MEMS スーパージャンクション MOSFETはデータセンターにおいて、AC-DC変換システムである3つの電源マネージメント、突入電流防止回路(ICP)、力率改善(PFC)とダウンコンバーターに使われます。


3. アイスモス スーパージャンクション MOSFET

 

 

 

4. SOI ウエハー上のトレンチ誘電体分離

耐放射線ワイドバンドギャップFET

アンダーソンは次のように述べています。私どもはアイスモスの半導体製造技術を応用できる製品を模索して参りました。その過程でワイドバンドギャップ材料(WBG)に注目いたしました。高耐圧製品の市場を見て、ワイドバンドギャップの半導体をわれわれのMOSFETのドレインに埋め込む可能性を見出しました。

NASAの”月から火星へ“のミッションで2024年までに月面に人類を送り、次の10年で探査を維持できるようにする長期宇宙プログラムにおいては、効率的で、信頼性のある耐放射性のパワーデバイスを必要とします。

アンダーソンはまた、次のように述べています。深宇宙用の耐放射線の高耐圧MOSFETを製作することは、もはやシリコンカーバイドデバイスにとっては完全なチャレンジではないものですが、埋め込みドレインとしては、本当の挑戦となります。NASAはわれわれのアプローチに興味を持ち、私どもにSBIRプロジェクトとして耐放射線高耐圧MOSFETを開発する機会を与えてくれました。これは私たちのアイデアを実践する場なのです。“

アイスモスはNASAグループでゴダード宇宙飛行センター(Goddard Space Flight Center (GSFC) )とともに働き、彼らの目的は、パワーMOSFETを宇宙船の高耐圧分散電源に用いることです。高耐圧分散電源はソーラーパネルやバッテリーなどの供給源から負荷ポイントに最も効率的にエネルギーを供給することができます。高電圧の分散電源システムを宇宙船内に作り、負荷ポイントで電圧を下げることでI2R ロスが最小となります。

最後にアンダーソンは次のように述べています。宇宙船はデータセンターやEVの充電ステーションと似た状況にあります。宇宙船で電力消費を減らすことは、データセンターやEVの急速充電にも等しく重要であると言えます。“

在庫から探す

scroll up